マンション管理士の選び方② ~どうしてマンション管理士に頼めばいいと言われているの?~

区分所有者以外の人物が理事会の役員などを担当する”第三者管理”について、

・実は誰でも第三者管理ができてしまう(法律上、特に資格などは要求されていない!)
・なぜマンション管理士に第三者管理を頼むと良いのか

というような観点から、大きく”マンション管理士の選び方”をテーマに前回はお届けしました。
※参考:マンション管理士の選び方① ~管理を誰かに頼みたくなった時のファーストステップとは~

今回も続いて、マンション管理士の選び方シリーズです。
今回はマンション管理士の持つ性格的な面白さについて、もうすこし詳しく触れてみたいと思います。

“白黒つけすぎないスペシャリスト”としてのマンション管理士

「弁護士って、マンション管理士よりすごく難しい試験も突破してるし、知識もすごいから頼りがいがあるでしょ!」
「建築士なら、建築とか設備とか、難しいことは丸投げしても安心!」

こういう風なイメージをお持ちの方が多いことを、これまで頂戴したご相談や雑談などを通して私は感じています。(私も概ね賛成です笑)

しかし、ありがたいことに、”マンションについてはマンション管理士に頼むといいらしい”という噂を頼りに、ご相談を持ち掛けてくださる方が多く見受けられることも事実です。

それはなぜか。

前回もお書きしたように、マンション管理士は

“マンションそのもの(ハード面)+そこに住む住民(ソフト面)の専門家”

であるからだ、とやはり私は確信しています。

私は完全なる文系人間ですから、法律や住民間のトラブルなどのソフト面については得意なほうです。
しかし、逆に建築や設備などのハード面についてはどうしても専門的な方よりも疎い、というのが正直なところです。

そんな私が最近気づいたマンション管理士の面白さ。

それは、

マンション管理士は訴訟に関わることができない

ということです。

つまり、マンション管理士では法律相談に乗ることはできても、具体的に法律の力をもって物事に白黒をつけることは難しい、ということになります。
裁判所を通じて書類を送ることなどもできません。

そうなると、

「なんだ、じゃあ結局は弁護士でいいじゃないか」

という結論で決着してしまいそうな気がしてきます。

しかし、少し考えてみてください。

たとえば、

「あいつのことがどうしても許せない。向こうも全然引き下がらない。じゃあ裁判で白黒つけよう。」
「勝った!」
「負けた!」
「今後はその結果にお互い従わなければ。」

争いに対する解決までの流れの一例ですね。
白黒がスッキリとつけられて、明解です。

でも、ちょっと待ってください。

これがもし、いわば一つ屋根の下で今後も暮らしていく相手との争いだった場合、どうでしょうか?

こうして争いを裁断してしまった場合でも、顔を合わせることもあれば、それこそ一緒に役員になることもあるかもしれません。

しかし、心理的なわだかまりが残っていてどうにも辛い…なんてケース、想像するだけでもストレスを感じてきませんか?

そんな時、マンション管理士のことを思い出してみてください。

マンション管理士は、できるだけ快適なマンション暮らしを送るためのコンサルタント
白黒つける以外の解決策を探すお手伝いができるかもしれません。

そのような需要から、マンション管理士に限った話ではありませんが、近年日本ではADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決)の導入が進められてきています。
アメリカで生まれたこのADRとは、できるだけ話し合いで問題を解決しよう、というもので、”調停”や”あっせん”などもその一部です。

この記事をお書きしている今現在では、マンション管理士であるからといって、ADRそのものが可能なわけではありません。
しかし、日本マンション管理士会連合会(日管連)では、マンション管理士にもADRを行うことができることになるよう、法改正に向けて働きかけています。
マンションADRの夜明けはもうすぐなのです。

加えて、ADRのエッセンスを取り入れ、管理組合の問題解決を促進しようという勉強会も開催されております。

それは、話し合いを促進するための、いわば司会や黒子のような存在になるよう努めること。

実際、マンション管理士はあくまでコンサルタントであり、管理組合がマンションにおける最高の意思決定機関であることは、絶対的に不変です。

マンション管理士がその主観をもって問題を裁断するのではなく、あくまで管理組合が意志を決定するのです。

そのお手伝いのために、マンション管理士は法的知識や紛争解決事例などを提示することはあれど、極端にどちらかの肩を持つことなく、できる限りの平和的な解決を目指します。

こうした新たな問題解決の道を提示することについては、マンション管理士も意識高く取り組んでいると言えます。


更に、日管連所属のマンション管理士であれば、「マンション管理士賠償責任保険」に加入している管理士もいます。
これは、第三者管理など、マンション管理士の行う業務において、万一管理組合等に損害を与えてしまった場合に保険金が支払われるというものです。

今回は、マンション管理士のもつ一面をとらえてお書きしましたが、次回は上記の「マンション管理士賠償責任保険」などなど、制度的な面からも

「なぜマンション管理士に頼むと良いと言われているのか?」

ということについても考えていきたいと思います。

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