先日、診断マンション管理士になる講習を受講してきました。
診断マンション管理士とは、マンション管理士における資格内資格のようなもので、マンション管理適正化診断サービスという業務を行うことができるようマンション管理士のことです。
では、「マンション管理適正化診断サービス」とは一体なにか。
簡単に説明するならば、
というものです。
ざっくり解説:マンション管理適正化診断サービス
大切なことなのですが、このサービスにおいて、マンション管理士が代理店となるわけではないため、保険の内容などについて詳しくお伝えすることはできません(保険業法に抵触してしまいます)。
マンションの共用部分にかかる火災保険で、地震保険やその他特約も含めて加入できるということですから、今後も何十年と続けてマンションが存続していく中で、様々なリスクに備えてこうした保険に加入しておくという選択にはとても価値があると私は思います。
そして気になる割引率ですが、築30年を過ぎてもS評価のマンションであれば、保険料は最大で半額近くもお得になる可能性があります。
築年数が経過していても、高水準の管理がキープされている優良なマンションを優遇したいということですね。
この診断サービスをご依頼される場合は、管理組合から日新火災/日管連/マンション管理士等にご連絡ください。
どのような入り口であれ本部は日管連になるため、日管連を通じてマンション管理士が派遣するという形になりますが、このマンション管理士はきっちりと診断について講習を受けたマンション管理士(診断マンション管理士)で、あくまで中立の立場で診断を行うことになります。
※診断には管理規約・長期修繕計画、総会議事録や工事報告書など様々な資料をご準備いただくことになります。
つまり、保険会社の肩を持つために厳しく診断する(保険料を割引させないため)とか、逆に管理組合のために優しく診断する、というようなことは一切ありません。
診断には、日管連で統一された基準やマニュアルがあり、それをもとに厳正に診断することになります。
※例えば、給排水管についての更新・更生が長期に渡って行われていない場合には減点の可能性がある…というようなものです。
加えて、この診断サービスを利用したからといって、保険に加入しなければならないというわけではありません。
気になった方は、まずはお気軽にお問い合わせを!
マンションは管理を買え、という言葉をご存知の方も多いと思いますが、具体的にどんな管理を買えば良いのかということは、その幅広さからなかなか簡単に説明することも把握することも難しいと思います。
診断サービスの結果、Sランクに診断されたマンションには、日管連からSランクを証するステッカーが送られてきます。
管理室ドアや受付など、対外的に目につきやすいところに貼ることで、
“このマンションはしっかりとした管理が行き届いているんだ”
ということが一目でわかるようになるわけです。
そもそもこのステッカーが意味を成すには、もっとマンション管理士や日管連によるこの診断サービスが市民権を得る必要があるとは思います。
恥ずかしながら、まだまだマンション管理士や日管連というものが浸透しきっているとは言えない現状を認識し、より一層努力していく必要があります。
しかし、管理に対する意識をお持ちの方には、一目でわかるひとつの指標として機能することでしょう。
現に、現在でも数千棟ものマンションから依頼を受けている実績はあるわけですから、マンション管理適正化診断サービスもどんどんと認知されてきているということですね。
もし入居を検討しているような方から
“これは何ですか?”
という質問が出たなら、それは良質の管理をアピールするチャンスとなります。
もしSランクと評価されなかった場合でも、担当のマンション管理士によって作成されたレポートは、管理の現状把握に活かすことができるのはもちろん、今後どうやって管理を行っていくことが適切なのかを判断する大切な指針・資料となります。
重ねてになりますが、
・マンション管理適正化診断サービスを受けたからといって、保険契約は必須ではない
・無料で診断を受け、レポートをもらうことができる
という管理組合にとっての大きなメリットがあるわけですから、お気軽に本サービスをご利用いただき、今後のより良いマンション運営に活かしていただければ幸いです。
今回の講習を受けて私自身が診断に赴くまでには、制度上もう少し時間がかかります。
今後、たくさんの管理組合からのお声がかかって、いろいろなマンションにお伺いできるようになることを楽しみにしています。
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