twitterでいろいろな情報に目を通していたところ、気になるコンテンツに出会いました。
アップルペンシルの慣らし運転。
表紙を描いてみました。
住民対立編は鋭意制作中。 pic.twitter.com/OMfM7RHd51— 謎水さん (@nazomizusouti) 2018年5月4日
↑「しんれんさい!ほんかく擬似科学まんが」「謎の水装置の巻」と銘打たれたこちらのWEB漫画です。
©謎水さん(@nazomisusouti)により、随時更新中。
※作品はtwitter&こちらのサイトにまとめて掲載されております。
全編にわたってとても気になる内容が描かれており、目が離せません。
こちらの作品を当ブログにて紹介させていただく許可をご本人より頂戴できましたので、マンション管理士としての自分なりに感じたこと・考えたことを交えて、こちらの作品を紹介していきたいと思います。
擬似科学はなぜ浸透するのだろうか?
改めての紹介になりますが、昭和テイストのような親しみ・味のある絵柄により連載されているこちらのWEB漫画は、謎水さん(@nazomisusouti)という方により現在進行形で連載されている”ほんかく擬似化学まんが”です。
気になってからすぐに一通り流れを追ったところ、どうやら
「作者である謎水さんがお住いのマンションで、擬似科学による水装置を取り入れるかどうかでゴタゴタした」
というストーリーのWEB漫画であるようです(あくまでフィクションです)。
まず、擬似科学とは何なのか?
“科学的根拠には乏しいけれども、信憑性があるとされている科学技術”
とでも言いましょうか。
この擬似科学のカテゴリーには、近年ではブームになった水素水やマイナスイオンというようなものが当てはまるのではないかと思います。
ところで、私は超絶文系人間なので、電子や磁場が云々という擬似科学の信憑性などについての話を、たとえ付け焼刃でも議論したいとは思いません(というより、できません)。
ではなぜわざわざ自身のブログでこちらのコンテンツを取り上げさせていただくのか。
それは、端的に言うと
「マンション運営における多数決の原理の難しさ」
について深く考えさせられる、と感じたからです。
これはあくまで個人的な意見ですが、私は擬似科学については、
・実際に擬似科学であろうとなかろうと、利用する人が満足している(効果を感じている)のであればそれはそれで良い
というスタンスです。
もちろん、
「本当に効果はあるのかな?」
「そこにそんなにお金をかけたいとは自分は思わないな」
というような気持ちを持つタイプではあります。懐疑的と言って良いでしょう。
しかし、実際に自分の意志で購入を決め、それでその人が満足できているのであればそれでOKではないでしょうか。
それ以上咎める権利は私にはありません。
※もちろん、悪徳商法が露呈している場合には、毅然とした態度を取りたいとは思いますが。
例えば、一戸建ての家を持っていて、自分の家のためだけに自分の好きな設備を選ぶ。普通のことですね。
でも、これが、多くの区分所有者が共同生活を営む場であるマンションの設備ともなると、そう簡単に割り切った話とすることはできません。
区分所有者のみなさんが積み立ててきたお金なのだから、全員が納得することに使われていてほしい。
しかし、それは単純明解なことに見えるけれども、とても難しいことなんだ、と本作品を通じて思い知らされます。
謎水まんが。続き
しかしiPadで絵を描くのは大変ですね。
皆さんどうやってるんだろう… pic.twitter.com/BetvmgyGit— 謎水さん (@nazomizusouti) 2018年4月8日
↑自分の財布からダイレクトにお金が出ていくわけではないから鈍感になる → 簡単に多数派に取り込まれてしまう
管理組合の財布はなぜ狙われやすいのだろうか。
そして、この漫画で取り上げられているようなケースだけではなく、大規模修繕などにおいて様々なトラブルが管理組合に降りかかっていることも、昨今よく報道されていることを目にします。
管理組合による総会は、マンションにおける最高の意思決定機関です。
でもそれは、基本的にはマンションやその設備について詳しくない、いわばほぼ素人だけで構成されている意思決定機関であることも事実です。
しかも、たくさんの積立金が、紐の緩いサイフで保管されている場合がある。
そうなってくると、うまく食い物にしてやろうという不届き者が登場するというのも、致し方ないことなのかもしれません。
謎水まんが。第20話。
役員会の「不可解な熱意」の裏にあるものは?
もちろんフィクションですよ。#謎の水装置https://t.co/z29QR5WBpN pic.twitter.com/8Bt3vTjHFc— 謎水さん (@nazomizusouti) 2018年6月1日
↑理事会・総会での平等な合意形成の難しさ
さらに、本作品ではマンション管理士が謎水さんのマンションをコンサルティングすることで、謎水装置を導入することを後押ししています。
こうも不自然な形のコンサルともなると、マンション管理士にマージンが発生しているというケースもあるようですし、とても腑に落ちないことになっています。
しかし、そのコンサルがたとえ不適切であったとしても、理事会や多数派がその意見に賛同してしまうと、いわゆる”黒いカラスも白くなる”という事態に陥ってしまうわけですね。
そして、一度総会で決議されてしまった事項は、簡単には覆すことができません。
次回では、総会決議の効力を争った事例や、大規模修繕のトラブル事例などを踏まえて、こんな場合にどうすれば良いのか?ということについてもう少し考えてみたいと思います。
※コンサルを目指したい私にとって、これは確実に目が離せない作品です。
今後も謎水さんを応援していきたいと考えています。
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