追憶の資格試験:司法書士・宅建・マンション管理士などについて思うこと

エッセイ

近畿地方ももうすぐ梅雨入り。ジメジメとして過ごしづらい季節がやってきますね。

毎年このくらいの季節になると思い出すのが、大学院を休学してから

“そろそろ本格的に資格試験にチャレンジしてみるか”

と思い立った年のこと。

もはやそれすらも5年ほど前であることに驚きを隠せません。

あの時は若かった…?無謀すぎる司法書士試験

始めに私がチャレンジしたのは、なんととりあえずの司法書士。

完全に法律系の学問が初学にも関わらず、独学でチャレンジしようと思い立ってしまったのが4月ごろのことでした。

「なんだかよくわからないけど、とりあえず法律のことさえやっておけばなんとかなるみたいだし、いけるっしょ!」

その時はほぼフリーターのような生活スタイルだったし、完全に軽いノリと勢いで受験を決めました。

しかしまぁフタを開けてみると、時間が足りないこと足りないこと。

生活リズムが崩れがちだったこともあり、月に何度かは高熱を出して、働いている時に倒れてしまったりしているうちに、すっかり季節は6月です。

司法書士試験は7月初頭の日曜日なので、試験日まであと1ヶ月を切るも、試験科目を一通り終わらせるどころか、民法すら終わらないのです笑

不動産登記法に至っては、そもそも登記というものがどんなものなのかよくわからないままなので、とてもフワフワしたまま。

しかも商法やら会社法やらが、初学者にとっては覚え込むべきことが多すぎてほぼ手付かずで。

最後の1ヶ月は、一応寸暇を惜しんで…とまで言えたものかわかりませんが、できるだけのことはやってやろうと時間も体力もつぎ込みました。
※合格した方々の努力に比べると、スズメの涙ほどだったことは間違いありませんが、私の記憶の中では相当に過酷な時期として処理されています笑

…まぁ、結果は余裕の惨敗というか、どのくらい得点できたのかも全然覚えていません。
(一応、憲法・民法はそれなりに得点したことはなんとなく覚えていますが…)

「仕方ない、また来年!」

という気持ちで、そのままコツコツと司法書士の勉強を続ければよかったのですが、いかんせん1年先のことに向かって取り組み続けるというのはなかなか至難の業です。

そこで、ある程度試験範囲が重複する資格はないか…と探したときに、直近だったのが宅建試験だったわけです。

それがきっかけとなったことと、いろいろな人の縁やタイミングなどにより、宅建業者に勤務しはじめ、合間を縫って不動産に関わる資格を取得し続けるという時期に突入するのでした。

司法書士の民法は難しかった…!

結果的に運よく宅建試験は突破できたのですが、あとから考えるにつけても、私が合格できたことは

・司法書士試験の民法には時間をかけて取り組んでいた

という事実が大きいと思います。

ちょうど宅建が”宅地建物取引主任者”から”宅地建物取引士”への名称変更する直前期の話で、それが実際どれくらい影響しているのかはわかりませんが、やたらと民法(権利関係)の問題が難化しているという事実があります。

しかし、不動産物権変動やら債権やらの分野をわからないなりにも丸覚えしたような知識が活きたのか、幸い宅建における権利関係は得点源とすることができたのでした。

恐らく、宅建の試験はこの権利関係でどれだけ得点できるかが勝負になります

法令上の制限や宅建業法は、内容を知らないうちはどうしようもありませんが、ある程度慣れてくると得点しやすい分野だと思います。

個人的な感覚かもしれませんが、宅建で合格ラインをせめぎあう場合において、権利関係を除いた試験問題での得点率は、大きな差は出づらいはずです。

つまり、権利関係以外の部分ではある程度得点が拮抗していて、そこから権利関係でどれだけ差をつけられるのか、ということです。

宅建は相対試験(試験後に上位15%前後の受験者のみ合格するよう合格点が設定される試験)なので、周りに差をつけるというのがかなり大切なポイントになります。

たとえば、合格点が34点であるのか35点であるのか。その差はたったの1点です。

そんな1問の差で涙を飲む受験者がどれほどいることでしょうか。

司法書士試験用の問題集などで民法等に取り組めとは安易には言えませんが、権利関係についてはそれだけの時間や労力をつぎ込む価値があると私は信じています。

資格の価値、と言ってしまうと良くないのかもしれませんが、資格に対する他人の評価や気持ちは変化していきます。

宅建や行政書士などは、十数年前に比べると、近年の問題は相当難しくなっているはずです。

しかし、その難化する前の資格試験のイメージを持っている方はかなり多く(まったく他業界の方が多いですが)、

「そんなもの大して努力しなくてもとれる資格でしょ?」

「誰でも取れるようなもの取ってどうするの?」

というようなお言葉を頂戴することもしばしば。

そして、いざ実務を始めてみると、

「法律でどうこう決まってるとか言っても、そんな杓子定規じゃあきまへんで!」
「資格がどうとか知らんけど、ずっとこうしてきたし若造に言われることなんか何もあらへんわ!」

というようなこともたくさんあるのが正直なところです。
(私は目先の利益よりも長い目で見て安全に業務を行いたい、というスタンスなので、たくさんケンカはしてきました笑)

つまり、資格を取ったからといって、すぐに仕事が舞い込んできたり、会社や顧客から一目置かれてやりたいように仕事ができたり、というようなことはほとんどないのが現実です。
(資格手当はすぐにつけてもらえるかとは思いますが)

しかし、資格を持っているという事実で損をすることは何もありませんし、すぐに芽吹くことはなくとも、確実に自分にとってプラスになります。

実際に努力をして資格を取得したのだという事実は絶対ですし、その業界で資格を活かそうとする場合において、その価値は確実に活きてきます。


マンション管理士のパイオニアになりたい

更に私の場合、今やマンション管理士という、うまく機能しているとは言い難いような資格をなんとかうまく使ってやろうと悪戦苦闘しています。

マンション管理士自身も、自分が何をできるのか、どうやればいいのかが分かっておらず、まだまだ知名度もかなり低いような資格です。

そんな資格でも、今まさに過渡期であることを体感していますし、この時期にパイオニア(先駆者)のようなマンション管理士が続々と登場すれば、きっと風向きは急変します。

私自身もそんなマンション管理士の一員となれるよう、努力していきたいと常々考えています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました