民泊考察①-大阪特区の住人として-

民泊

“Airbnb”とか、”民泊”とか、”民泊新法”とか、近頃よく耳にすることが多いなぁと感じている方が増えつつあるのではないかと思います。

私も不動産業界におりますので、民泊の可能性や今後の方策などについての記事や文献に触れることも多々ありますが、正直なところ、

「オーナーが爆発的に利益を得られる」
「借り手にとっても良いことずくめ」

とか、そういったプラスな部分が大きく取沙汰されているようには感じられません。

また、現に不動産業界になじみのある方ならまだしも、そうでない方にとっては今一つ興味をそそられるものではない、という現状にあるように思います。

私自身も、はっきり民泊についてお客様から相談を受けた経験はありませんし、(自分も含めて)周りにキッチリ説明できる人も少ない現状はあまり良くないはず。

しかも、私が住んでいる大阪市は「特区民泊」というものが適用されている、日本でも数少ない都市(現在のところ東京・大田区と大阪市のみ!)なのですから、民泊についての知識もしっかり磨いておかなければ!ということで、民泊についても書いて行こうと思います。

そもそも民泊って、何なんだ?

民泊(みんぱく)は、旅行者などが、一般の民家に宿泊することを一般的に意味する日本語の表現であるが[1]、特に、宿泊者が対価を支払う場合に用いられる[2]。また、ホームステイと同義で用いられることもある[3]。

Wikipediaより引用

まずはWikipediaよりそのまま民泊について引用しました。

わかりやすく言うなら、

“ホテルではなく、一般人の家にお金を払って泊まること”

ということになると思います。

ちなみに、旅館やホテルの営業にあたっては旅館業法というものが適用されますが、最近よく言われている民泊というのは、その旅館業法の中での”簡易宿所”にあたる場所を提供するということになります。

※そして、民泊に当たっては、簡易宿所を営業するという意味合いになりますから、きちんと許可申請を行わなくてはならず、無許可の違法民泊には罰則があります。

そもそもなぜ注目度が上がったのか

そもそものきっかけは、Airbnbという会社が2008年に民泊仲介サービスを始めたこと、とされているようです。

しかし、まだその時点では現在ほど取沙汰されることはなかったと思いますが(10年ほど前なので、私が学生真っ只中の世間知らずだった可能性もあります)、実際のところは

“2016年、旅館業法での規制とは別の条例(民泊条例)により、民泊を行いやすくなった”

という要因が大きいと思います。

この規制緩和には、日々増加する外国人観光客のための宿泊施設不足が大きく起因していることもありますし、これまた増加し続ける空き家対策にもなるはずだ、という思惑が見えます。

実際のところ、民泊は浸透しているのか

 

私は大阪市中央区、難波や心斎橋あたりに気軽に出向くことができるあたりに住んでいます。

いわゆるミナミというものですね。コテコテのミナミではないと思いますが…。

そして、地下鉄を利用すると顕著なのですが、大阪市営地下鉄千日前線あたりは、かなりアジア系の観光客の利用者が多いなと感じます。
数年前、”爆買い”などが取り沙汰されているときに比べると落ち着いたのかな、という部分もあるかと思いますが、それでもまだまだたくさんの観光客が訪れていることを実感します。

その大部分は、難波や心斎橋などから少し離れた、谷町などのホテルなどを利用するケースが多いようで、私の生活圏でよくそのような外国人を見かけます。

ただ、やはりそれらの観光客はホテルを利用しているケースがほとんど(実際にビジネスホテル等に出入りしているところなどを多く見かける)だと思います。

大阪市在住の実感として

 

たまに知人と連れ立ってバーに行くこともあるのですが、そこでたまたま外国人観光客とちょっとした会話などをすることがあっても、実際のところ、ホテル利用者がほとんどだなぁと感じます。
ごくまれに、「知り合いの家にホームステイ的に泊めてもらっている」という方も見かけますが、その場合はまた民泊とは違いますし…。

という風に、なかなか民泊が浸透しているとは言い難いのが正直なところなのでは…というのが私の体感です。


先ほども少し触れましたが、大阪市は特区民泊が現在可能である、日本でも数少ないエリアです。

特区民泊とは、”国家戦略特別区域外国人滞在施設”ということで、外国人観光客をもっと受け入れたいという気持ちからかと思いますが、宿所の利用期間などの規制緩和が更に進められた民泊ということになります。
※”外国人滞在施設”とありますが、これはまさに、外国人観光客をターゲットとした方策によるネーミングなのです。
もちろん日本人でも宿泊できます。

 

ただ、このようなエリアに実際に住んでいながらも、やはり民泊がキッチリ浸透しているとは言い難い現状を肌で感じています。

すべてがうまくかみ合えば、不動産オーナーや観光客当人同士だけでなく、局所的であれ地域経済も発展することは考えられるのですが、やはり国民性などの問題も様々で、そう簡単には行かないというところでしょうか。

今後の機会には、もう少し詳しい解説や、不動産業界と民泊の関係性などについても書いて行きたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました